かつて見た光景

すっかりと忘れていたはずの一瞬が、ふとした拍子に甦る…

人間の脳みそは、完全に記憶を消す(忘れる)ということはほぼほぼなく、パソコンに例えるならば圧縮ファイルとして、普段は自覚しないような形で保存しているのだとか。

管理人です、こんにちは。

でもって、古い写真や音楽、風景や匂いなどの刺激によって突然、そうした記憶の断片が思い起こされることがあるそうで。

先日、実家の近くを散歩している時に、かつて通った小学校の前を通りかかりました。

暗くなった時間帯というのもあったのでしょう、ふと沸き上がった記憶の断片。

状況を考えるに、小学校の5年生か6年生の頃でしょうか…

自分は自転車に乗って一人で小学校のグラウンドにいました。

日がほぼ沈み、建物が深い影を落としているような時間帯。

生来の出不精だった自分が、なぜそんな時間に一人で小学校へ出向いたのか、まったく分かりませんが、ともかく行ったのです。

時間が時間ですから、当然人影はありません。

誰にも邪魔されない広々としたグラウンドで、一人、自転車を走らせていました。

そんな折、ふと倉庫の影が視界に入りました。

何かを見つけたという訳ではなく、たまたま、何の気なしに見たと思うのです。

影が、動いたのです。

記憶の映像では5秒か10秒くらい、じっと見ていた気がします。

色のない、本当に真っ黒な影が、音もたてずにゆっくりと動いている…

その後、怖くなった自分は一目散に家に帰ったと思うのですが、その影を目撃した自分の立ち位置から考えると、出口に向かうにはその影の横を通らないといけないはずなのです。

当時の自分が勇気を振り絞ってその横を走り抜けたのか、はたまた遠回りになる田んぼ道を必死に逃げたのか、残念ながら目撃の前後の記憶はありません。

そんな不思議な一瞬の話。

まぁ、今の自分ならそれなりに妥当な解釈を加えることもできます。

影の大きさからしてそこに人がいたのは疑いようもありませんし、さらにそこは表通りからは倉庫を背にして見えない場所でした。

宵闇に紛れて人目につかない物陰で、よからぬことをしていたのを、偶然乱入した小学生が目撃した、とそんなところでしょう。

多分、見つけた自分も強烈にビックリでしたが、見られた向こうも(気づいていたなら)それ以上にビックリだったのではないでしょうか。いっそ、「オイコラ、お前何や。さっさと失せろ!」とでも言ってくれれば、こちらは安心して帰れたでしょうに、声を出す余裕もなかったのかな、とか。

ともかくそんな訳で、年を経てから『幽霊の正体見たり』と感じているわけですが、はてさて実際はどうだったのでしょうか。

それでは、また。

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