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◆ 「2頭のクジラ」株高演出 公的マネー、増す存在感

◆ 「2頭のクジラ」株高演出 公的マネー、増す存在感

朝日新聞】 02/26 05:02

 約40兆円に及ぶ年金と日銀マネーは、いまや日本市場の「隠れた巨大株主」になっている。その存在の大きさから「2頭のクジラ」とも呼ばれる両者の公的マネーに支えられた「官製相場」は、企業の「稼ぐ力」を反映せず、株価に割高感をもたらしている。その終わりはみえず、公的マネーの存在感は増すばかりだ。

 巨額の公的マネーが大株主になっている企業をみると、安定した業績や高収益の企業が目立つ。

 しかし、公的マネーの押し上げ効果は、実力以上の株価をもたらすことになりかねない。

 GPIFと日銀の実質的な保有比率が約12%と高いのが、カジュアル衣料「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングだ。

 同社の株式は、創業家出身で、会長兼社長の柳井正氏が約2割をもつ。他の企業との持ち合い株などを除き、市場に出回る同社の株式は全体の25%程度とみられるが、両者の割合が多くを占めるため、一般投資家が買いにくい状況になっている。投資家からは「企業の実力と比べて株価が割高になっており、手が出せない」との声もあがる。

 実際、ユニクロ事業の低迷で昨年10月に発表した16年8月期決算の純利益は前年より半減したが、株価は直近までに約6%上昇している。中央大商学部の原田喜美枝教授は「企業業績と株価の連動がどんどん薄まっている。公的マネーの巨大な存在が株価をゆがめている」と指摘する。

 事業再編や取締役の選任などを通じ、「稼ぐ力」の向上を促す企業統治(ガバナンス)の強化にも支障が出かねない。GPIFも日銀も、企業経営への「官」の介入を避けようと、株主総会での議決権行使は信託銀行などに任せている。米資産運用会社の幹部は「公的マネーが『もの言わぬ』与党株主になる恐れがある」と話す。取引のある複数の企業が互いに株式を持ち合って、異を唱えない安定株主として議決権を行使する関係が、形を変えて復活することを懸念する声もある。